インドの観光スポットといえば誰もが口にするタージマハル。
この美しい遺産を一目見ようと毎年多くの観光客が訪れ、
完全なシンメトリーで、真っ白なこの建物は見る人全てを虜にします。
そんな誰もが知るタージマハルですが、一体何のために作られたのでしょうか。
ただ中に入って近くで見て終わるのはもったいない!
タージマハルにまつわる歴史を知っていれば、2倍楽しめること間違いなしです。
また人気な観光地ですから気になるのは混み具合や治安。
歴史だけではなく、気をつけておきたいポイントもまとめていますので
ぜひ事前にチェックして訪れてみてください。
タージマハルってそもそも何?
世界中に名を知られるタージマハルですが、そもそも一体何の建物で、何の目的があって造られたのでしょうか。
時はムガル帝国5代目「シャー・ジャハーン」の時代(1628−1658)。
シャー・ジャハーンには複数の妻がいましたが、その中でも特にお気に入りだった妻がいます。
その女性の名前は「ムムターズ・マハル」。
ムムターズ・マハルにはペルシア語で「宮殿の光」「宮殿で選ばれしもの」という意味があったそうです。

国のトップから熱愛を受けていた彼女ですが、38歳の時に出産が原因でこの世を去ってしまいます。
ひどく悲しんだシャー・ジャハーンは、美しい彼女への愛を形にすべく、
国中から職人を呼び、国家総動員、まさに22年という歳月をかけて彼女のお墓を作りました。
そのお墓の名前が「タージ・マハル」なのです。
黒いタージマハル?
その白さが有名なタージマハルですが、実は黒いタージマハルが作られるはずだったのをご存知でしょうか。
これはタージマハルにまつわる伝説なのですが、
シャージャハーンはムムターズマハルのために白いタージマハルを建設しました。
一方で天国でまた一緒にいれるようにと、
川の対岸に黒いタージマハルを建て、対となるように橋でそれぞれのお墓をつなぐという壮大な計画を建てていたそうです。
しかしシャージャハーンは息子であるアウラングゼーブにクーデターを起こされ、皇帝の地位を奪われることになります。
シャージャハーンは近くのアーグラー城に幽閉され、
そしてついに黒いタージの完成を目にすることなくこの世を去ってしまいました。
この伝説については真相が議論されていますが、ロマン溢れる話ですよね。
タージマハルの霊廟の裏側からは川とその対岸が見れます。
また黒いタージマハルが建てられるはずだったとされている場所には、
現在「マターブ・バーグ」という庭園があります。
そこから見えるタージマハルを見ながらシャージャハーンの思いを感じるのもまたいいかもしれません。
タージマハルのシンメトリー構造に隠された秘密
タージマハルは世界でも有数のシンメトリーな建造物として知られています。
これは単に美しさだけでなく当時のムガル帝国の宗教観に大きく影響されたものとなっています。
庭園は水路によって4つに区分けされおり、それぞれ「清らか」「育み」「幸福」「歓喜」を表しており、
イスラムの天国の様子を再現したものと言われています。
そして中心に建つ真っ白な霊廟、つまりその世界の中心にムムターズマハルが眠っているのです。
ちなみに霊廟の周りに立つ4つのミナレット(塔)は全て同じように少しだけ外側に傾いて立っています。
これは万が一ミナレットが倒れたとしても霊廟に危害を加えないために少し傾いているそうです。
そんな完璧に左右対称に作られているタージマハルですが、1箇所だけ非対称な場所があるのです。
それは霊廟の中の墓標です。
もともとはムムターズマハルの墓標が中心に置かれていたのですが、シャージャハーンが亡くなったあと、
彼の墓標が隣に移されたので、この場所だけ左右非対称となっているのです。
最愛の妻に先立たれ、息子にクーデターを起こされ幽閉されたシャージャハーン。
最後はきっとムムターズマハルと同じ場所にいけたことでしょう。
霊廟の中に入るためには追加料金が必要となっています。
また中に入る時には遺跡保護の観点から靴カバーが必要です。
チケット売り場で靴カバーも受け取ることができるので、忘れずに受け取りましょう。
ちなみに霊廟の外壁にはいくつもの装飾が描かれており、本物の宝石の石が埋め込まれています。

当時の職人が手作業で作っていった外壁で、ここでも歴史を感じることができますね。
空いている時間帯でもそれなりの列になりますが、これも霊廟を間近で見れるからこそ!
並ぶ価値ありです。
タージマハルで気をつけておきたいこと
1、観光のタイミング
タージマハルは世界的にも有名な観光スポットですが、それ以前にインド国内でも人気な観光スポットです。
世界の観光客+インド国内の観光客。。
考えただけでもめちゃくちゃ人多そうですよね。
混雑を避けるためには午前中に回るのが必須です。

デリーからは車で3〜4時間はかかるのでできれば前日入りをしておきたいとこ。
ちなみに筆者は近くのホテルに滞在し、7時にタージマハルを訪れました。
それでも門をくぐったあたりの写真スポットや霊廟に入るまではそこそこ人が多かったです。
インド恐るべし・・・。
2、持ち込み制限
タージマハル内は基本的にカメラと携帯以外の電子機器や飲食物の持ち込みは禁止されています。
カバンもリュックサックなどのカバンは持ち込みできません。
そのほかセキュリティ検査もあるので、極力荷物は持って行かず、ホテルやクロークに預けるようにしましょう。
小さなお菓子程度でも没収されますのでご注意!
水はチケット売り場でもらえますが、ちょっと緊張しますよね・・・
3、チケット売り場
タージマハルに限らずインドの観光地ではよくあることですが、インドの方と外国の方では入場料金が異なります。
インドの方は50ルピー+200ルピー(霊廟見学の場合)ですが、外国人だと1,100ルピー+200ルピーとなっています。
値段も場合によっては値上がりしている可能性もあるので、事前にチェックしておくとスムーズです。
またタージマハルの料金にはADA(Agra Development Authority=インド考古学局に対する料金)500ルピーが含まれています。
ですので万が一ADA料金を払えと言われても騙されないようにしましょう。
4、写真
チケット売り場を過ぎそのまま進んでいくと、ついにタージマハル内へとつながる門が見えてきます。

ついにあのタージマハルとご対面ということで気持ちがはやりますが、ここでも注意。
門の近くにはカメラを持った方がたくさん待ち構えており、一枚撮ってあげるよと声をかけてきます。
当然とった写真は無料なわけありません。
最近はスマホで十分綺麗な写真は撮ることができますから、特に必要ない方はしっかりと断るようにしましょう。
5、その他
当たり前のことですが、とても人が多い場所です。
それにインドではとにかく人と人の距離がとても狭いです。
並んでいる時はくっつくくらい近くに並んできます。
荷物は取られないようにご注意を。
さいごに
筆者は普段観光地ではガイドをつけませんが、このタージマハルではインド人の知人の紹介ということもありガイドをつけました。
そこで色々な話を聞きながらまわったわけですが、
結論、ガイドつけてよかった!
もし知らなかったら、白い綺麗な建物だなーで終わっていたことが、
タージマハルに隠されたロマンある話を聞くことができたり、当時の職人の方々の技術の結晶を今もなお見ることができ、
「タージマハルよかったー」だけじゃなく、色々なことを勉強できました。
ガイド料はもちろん必要になっちゃうので、
もし勿体無いなと思う方は、ぜひ事前に調べてから行ってみて!
何倍も記憶に残るタージマハル観光になると思います。
今回はそんな素敵な旅のきっかけになると嬉しいです。
それじゃ、また!
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