大きなお腹、4本の腕、そして何より特徴的なのが象の頭。
インドに行くとどこかで必ず一度は目にするこの生き物の名前はガネーシャ。
ヒンドゥー教の神様の一つで、「富の神様」として多くのヒンドゥー教の方に信仰されています。
インドには多くの神様が存在し、その数なんと3億以上!
ヒンドゥー教では(信仰度によるかもしれませんが)、基本的に好きな神様を好きな数、推していいみたいで、
このガネーシャはそんな神様のたちでもTOP層に入るくらいの人気っぷり。
もしかするとヴィシュヌやシヴァなど聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
このガネーシャはそれらの神と同じくらい多くの人に信仰されています。
今回はそんなみんなの推し神ガネーシャについて、一体どんな神様で、なぜ象の頭なのかを書こうと思います。
知っていると新しい視点でインドを楽しむことができるかもしれません。
象の頭?ガネーシャの誕生
ガネーシャの話の前にここでは2人の神が登場します。
(2人という表現が正しいかどうかはここでは置いておくことにしましょう)
それがシヴァとパールヴァーティーです。
シヴァ神はもしかするとどこかで聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
彼は”破壊の神”として知られています。
そんなシヴァの妻がパールヴァーティーです。
ある日シヴァが留守にしている間、パールヴァーティーは入浴をしている間の見張りとして、粘土で子供を作りあげました。
そう。その子供の名前がガネーシャ。
パールヴァーティーはガネーシャに「誰も家の中に入れてはいけない」と命じます。
そんなことを知ろうはずがないシヴァは家に帰ると、ガネーシャが家の前に立ち、シヴァが家の中に入るのを拒みます。
「誰も中に入れるわけにはいきません。」
破壊の神シヴァは何と無礼なやつだ!と怒り、なんと!ガネーシャの首をはねて家の中に入ってしまいます!
シヴァが外での出来事をパールヴァーティーに話すと彼女は大号泣。
慌てふためいたシヴァは家来に「外で見つけた最初の動物の頭をもってこい」と命じます。
そして家来が持ってきたのが象だったのです。
象の頭をつけられたガネーシャは生き返り、そこからあらゆる障害を取り除く神として多くに人から信仰されるようになりました。
家に入るのを拒まれただけで首をはねてしまうシヴァも怖いですが、
それ以上に母の言いつけを忠実に守り、そして生き返るガネーシャ。
やはり神は違いますね。
ガネーシャの世界一周競争エピソード
ガネーシャにまつわる有名なエピソードに世界一周競争の話があります。
ある時神々の間でこんなことが話題に。「誰が最も速く世界を一周できるのか」
そこで名乗り出たのがガネーシャと弟のスカンダ。
スカンダは韋駄天としても知られる俊足です。
スタートの合図とともにスカンダは走り出しますが、ガネーシャはその場で考え込みます。
勝負の結果は明らかかと思われましたが、ガネーシャは突然父シヴァと母パールヴァーティーの周りを周り出したのです。
そして周り切った後に一言。「私にとっての世界とは両親のことである。」
その言葉に神々は感動しガネーシャはこの勝負に勝利しました。
このことからガネーシャは知恵・学問の神様としても信じられるようになりました。
圧倒的な不利の状況でもどうやったら勝てるのか、正攻法が無理なら他の手を。
忠実でいて、さらに頭もきれる。
それは人々から人気になるのも納得です!
人々とガネーシャ
こんないいエピソードを持ったガネーシャです。
人々から人気にならないわけがありません。
商売繁盛、家族の健康、さまざまな願いを込められ、ガネーシャは会社や家の玄関など様々な場所で見かけます。
タクシーのダッシュボードなんかでもよく見かけます。

その人気ぶりはインドで生活していたらガネーシャを見かけない日はないくらいです。
お土産屋さんにも大きいガネーシャから小さいガネーシャまでたくさんのガネーシャに出会えます。
どうですか?
このエピソードを知っていると、ガネーシャの見方が変わったでしょう?
これを機に日本に買って帰るのもいいですし、他の神のことを調べてみるのも面白そうですね。
今回はインドのみんなから推される神ガネーシャについてでした。
それじゃ、また!
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